2026年7月16日、日産エルグランドが16年ぶりにフルモデルチェンジしました。先代(E52型)は2010年からほぼ手を加えられずに販売され続けた息の長いモデルだったので、今回の刷新は「フルモデルチェンジ」というより「新車種の誕生」と言った方が近い印象です。私は自動車業界での勤務経験がありますが、一つのモデルが16年もそのまま生産され続けるのは異例です。それだけに、今のエルグランドはまだディーラーでもじっくり見た人・乗った人が少ない状態。だからこそ、今のタイミングで試乗しておく価値は非常に大きいと思います。
エルグランドの魅力は?——エンジン・駆動系・燃費・静粛性で見る
新型エルグランドの最大の特徴は、パワートレインを電動駆動に一本化したことです。歴代エルグランドで初めて、ガソリン単独モデルが姿を消しました。
- エンジン:第3世代e-POWER専用。発電特化型の1.5L直列3気筒VCターボエンジン「ZR15DDTe」と、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機を一体化した「5-in-1」電動ユニットを搭載
- 駆動系:電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」のみ。全グレードが4WDで、前輪駆動(2WD)の設定はない
- 燃費(WLTCモード):16.8km/L
- 静粛性:「インテリジェント ダイナミックサスペンション」により4輪独立で減衰力を制御。アクティブノイズコントロールも全車標準装備
100%モーター駆動による動力性能は、ノーマルガソリンエンジンに換算すると4.5L級に相当するといわれています。同クラスで比較されることの多いトヨタ アルファードのハイブリッド(3.0L級相当)よりも力強い、という評価がプロトタイプ試乗の段階で出ています。ミニバンとしては珍しく「走りの愉しさ」を前面に出したモデルだと言えます。

評判・気になるポイントを掘り下げ
発売からまだ2ヶ月ほどしか経っていないため、長期使用を前提とした口コミはこれから増えていくところです。現時点で確認できている、検討時に押さえておきたいポイントを挙げておきます。
価格帯:689万7,000円〜869万8,800円。全6グレードすべてが4WDのみという構成もあって、廉価に乗れる選択肢は用意されていません
パワートレインの一本化:ガソリン単独モデルがないため、「シンプルなガソリン車でいい」というニーズには応えられません
納期:5月28日の先行受注開始以降、問い合わせが増加傾向。特に現行・旧型エルグランドの所有者・所有経験者からの詳細な問い合わせが多いとのことで、人気グレードは納期が延びる可能性があります
販売店の話では、装備の充実度を重視する層は「G」グレード(プロパイロットやコンセントが標準装備)を中心に検討しているとのことです。価格が高いぶん、装備差をどう受け止めるかが選択の分かれ目になりそうです。

試乗でしか分からないポイント
- e-POWERのアクセルレスポンス——「4.5L級相当」と言われる動力性能を、実際にアクセルを踏み込んで体感する
- インテリジェント ダイナミックサスペンションによる乗り心地——4輪独立の減衰力制御が、ミニバン特有の揺れをどこまで抑えているか
- 静粛性——アクティブノイズコントロールの効き方は、走行シーンによって体感差が出やすい部分
- グレード間の装備差——「G」と上位グレードでプロパイロットや内装の質感がどう変わるか、実車で比較する
グレード・価格帯
日産が直接販売する標準グレードは「X」「G」の2種類のみとシンプルです。加えて、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手がけるカスタムカーとして「オーテックライン」「オーテックラインG」「オーテック」「VIP」「ステップタイプ」が用意されており、こちらは同じ日産ディーラー網で注文できる特別仕様車という位置づけです。
標準グレード
X e-4ORCE
689万7,000円
G e-4ORCE
757万9,000円
NMCカスタムモデル(オーテックシリーズほか)
ステップタイプ
714万6,700円〜
オーテックライン(Xベース)
717万9,700円
オーテックラインG(Gベース)
778万4,700円
オーテック(Gベース)
824万7,800円
VIP(Gベース)
869万8,800円
※価格は消費税込みのメーカー希望小売価格(2026年7月時点)。オーテックラインはXがベース、オーテックラインG・オーテック・VIPはGがベースです。オプション・諸費用は別途必要になります。
見積もり総額の目安と値引きの実情
カタログ価格だけだと分かりにくいのが「結局いくらで乗り出せるのか」という点です。自動車専門誌が受注開始直後にディーラーで実際に見積書を作成してもらった例では、Xグレードで諸費用込みの乗り出し価格がおよそ750万円というのが一つの目安になっています。車両本体689万7,000円に対して、税金・登録費用・自動車保険(自賠責)・納車費用などを含めるとこの水準まで上がる計算です。グレードやオプション(サンルーフ、両側電動スライドドアなど)を追加すればさらに上乗せされるため、正式な見積もりは販売店で確認するのが確実です。
値引きについては、正直なところ今はあまり期待できません。2026年7月に発売されたばかりの新型で、すでに6,300台という先行受注を獲得するほどの人気ぶり。自動車系メディアでも「初期ロットは値引きが極端に渋い」と指摘されており、旧型(E52型)で相場とされていた30万円前後の値引きは、今のところ望みにくい状況です。値引き交渉をするなら、アルファード/ヴェルファイアとの競合を材料にする、複数のディーラーで相見積もりを取る、下取り車は事前にネットの一括査定で相場を把握しておく、といった基本的な進め方が有効です。納期についても人気グレードは延びる可能性があるため、値引き幅よりもまず納期の見通しを優先して確認しておくことをおすすめします。
ライバル比較——アルファード/ヴェルファイアとの違い
日産 エルグランド
689.7万円〜869.9万円
WLTC 16.8km/L・全車4WD(e-4ORCE)
動力性能はガソリン4.5L級相当。走りの愉しさを前面に出したセッティング
トヨタ アルファード/ヴェルファイア
ハイブリッドを含む幅広い価格帯
動力性能はガソリン3.0L級相当(ハイブリッド)
販売実績・リセールバリューで優位。福祉車両やグレード幅の広さも強み
価格だけ見るとエルグランドは「アルファードより割高」に見える場面もありますが、動力性能や乗り心地チューニングへの投資を考えると、単純な値段比較では測れない部分があります。走りを重視するならエルグランド、実績や中古市場での安定感を重視するならアルファード、という選び方が現実的です。
試乗予約でポイントを受け取る方法
登場から2ヶ月あまりで、まだ「乗ってみた」という声も少ないエルグランド。だからこそ、購入を決める前に自分で体感しておく価値があります。楽天Carの試乗予約を使えば、新規の試乗予約申し込み完了で対象ポイントが受け取れます。
楽天Car経由の試乗予約でもらえるポイントの詳細は、こちらの記事で詳しく解説しています。
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よくある質問
Q. 新型エルグランドにガソリン単独モデルはありますか?
A. ありません。全グレードが第3世代e-POWER+e-4ORCE(4WD)のみで、パワートレインは電動駆動に一本化されています。
Q. 2WDの設定はありますか?
A. ありません。全6グレードすべてがe-4ORCEによる4WDです。
Q. アルファードと比べてどちらがおすすめですか?
A. 走行性能や乗り心地のチューニングを重視するならエルグランド、販売実績やリセールバリューの安定感を重視するならアルファードが選びやすいでしょう。実際の走行フィーリングの違いは試乗で確認するのが確実です。
Q. 値引きはどのくらい期待できますか?
A. 発売直後で先行受注6,300台という人気ぶりもあり、初期ロットの値引きは渋いというのが現状です。旧型で相場だった30万円前後の値引きは、今のところ期待しにくい状況。アルファード/ヴェルファイアとの競合や複数ディーラーへの相見積もりが基本の交渉材料になります。
まとめ
16年ぶりにフルモデルチェンジした新型エルグランドは、パワートレインを電動駆動に一本化し、走りの愉しさを前面に出した意欲的なモデルです。登場からまだ間もなく、口コミもこれから積み上がっていく段階。価格や納期の不透明さはあるものの、その分「まだ多くの人が体感していない新型に、いち早く触れられる」というタイミングの価値は大きいと思います。アルファードとの比較検討をしているなら、まずは試乗でその違いを確かめてみてください。



