メルセデス・ベンツのエントリーモデル「Aクラス」は、高級感溢れるデザインと優れた走行性能で人気を集めています。
しかし、「ベンツは維持費が高い」という声も少なくありません。
そこで本記事では、BMWの「1シリーズ」との比較を通して、ベンツAクラスの価格と性能を徹底的に検証します。
また、一部で高級車ブランドである両社のエントリーモデルであるが故の「貧乏」「恥ずかしい」などの根拠のない口コミが正しいのか観察していきたいと思います。
ベンツAクラスとBMW 1シリーズの基本スペック比較
メルセデス・ベンツのAクラスとBMWの1シリーズは、ともにプレミアムコンパクトカーのエントリーモデルとして人気を集めています。
高級輸入車を比較的安価な金額で入手できるということで気になる方も多いと思います。
2025年で生産が終了とされていたメルセデスベンツAクラスですが、一部情報では2026年も生産が継続するようです。
背景には、電動化技術・需要の伸び悩みも影響しています。
現在の電動化技術が一巡し、次の技術への期待から、現在のEVは買い控えの気運が高まっているように思われます。
現在のバッテリー効率、充電技術の効率化がより一層進んでいくとEVの再注目が予想されます。
Aクラスと1シリーズの両者のスペックを比較することで、それぞれの特徴が浮き彫りになるでしょう。
ガソリンモデルの比較
ベンツAクラスとBMW 1シリーズのエントリーグレードのガソリンモデルを比較すると、パワー、燃費、価格などの面でどのようなポジショニングになっているのでしょうか。
メルセデス公式サイトによると、Aクラスのエントリーグレードのガソリンモデルは最高出力136PSを発揮します。
一方、BMW 1シリーズのベースグレードは最高出力109PSと若干劣りますが、燃費性能では優れており、JC08モード燃費は20.6km/Lを実現しています。
価格面では、Aクラスが484万円から、1シリーズが476万円前からとどちらも同価格帯に位置しています。
乗り味を選ぶか、省燃費性能をとるかによって好みが分かれる選択肢です。
ディーゼルモデルの比較
ディーゼルエンジンを搭載したAクラスは最高出力116PSを発揮し、燃費性能も18.6km/Lと優れています。
一方、1シリーズのディーゼルモデルは最高出力116PSとAクラスと同等ですが、燃費は20.0km/Lとやや上回っています。
価格面では、Aクラスが553万円前後、1シリーズが508万円前後とAクラスの方が高価格帯にあります。
パフォーマンスモデルの比較
メルセデスのハイパフォーマンスモデルであるAMGとBMWのMスポーツを比較すると、AクラスAMGは最高出力306PS、1シリーズMスポーツは最高出力306PSと同等のパワー性能を発揮します。
加速性能ではAクラスAMGが0-100km/h加速4.7秒、1シリーズMスポーツが4.8秒とわずかにAクラスAMGが優位です。
価格面では、AクラスAMGが750万円前後、1シリーズMスポーツが698万円前後とAクラスAMGの方が高価格帯となっています。
この価格帯、性能でボディサイズがコンパクトなら、日本の住宅事情にも合致しているとの見方もできます。
一昔前のように【高級車=大型化】といった偏ったものの見方の典型例とも言えます。
ベンツAクラスの価格と維持費を検証
メルセデス・ベンツのAクラスは、高級感溢れるデザインと優れた走行性能から人気を集めていますが、一方で「高価すぎる」という声も少なくありません。
そこで、Aクラスの価格設定と維持費について、より詳しく検証していきます。
ベンツAクラスの価格設定
メルセデス公式サイトによると、Aクラスのエントリーグレードのガソリンモデルは484万円から、ディーゼルモデルは553万円からとなっています。(2025年1月より値上げの情報あり)
一方、BMWの1シリーズのベースグレードはガソリンモデルが476万円(2024年3月以降生産)から、ディーゼルモデルが508万円から(2024年3月以降生産)と、Aクラスに比べて若干低価格帯に位置しています。
しかし、アウトドアライフスタイル情報サイトによると、Aクラスは高品質な内装やテクノロジー、そして高い走行性能を備えていることから、価格以上の価値を感じられるモデルだと評されています。
また、中古車市場ではAMGグレードの高い残価値も、魅力の一つと言えるでしょう。
ベンツAクラスの維持費
メルセデスブランドの高い信頼性から、Aクラスの維持費は意外と抑えられる可能性があります。
自動車情報サイトの調査では、Aクラスのメンテナンス費用は同クラスの他モデルと比べて平均的な水準にありますが、修理費用は若干高額になることが明らかになっています。
また、ディーゼルモデルの燃費性能の良さも、ランニングコストの抑制に寄与しています。
一方、BMW 1シリーズのメンテナンス費用は若干高めの傾向にあるようです。
以上のように、Aクラスの価格設定は高級ブランドならではの水準にありますが、その分の価値を感じられる仕上がりであり、維持費面でも他モデルと遜色ない水準にあるといえるでしょう。
メルセデスベンツAクラスのスタイル
メルセデスベンツAクラスは、エレガントでスポーティーなデザインが特徴です。
滑らかなラインと高級感あふれるディテールが、都市の風景に溶け込みつつも存在感を放ちます。
フロントグリルやLEDヘッドライトのデザインは、メルセデスらしい上品さを強調しています。
- 先進的なインテリアデザイン: Aクラスは大きなデュアルディスプレイや最新のMBUXインフォテインメントシステムなどにより、未来的で上質な車内空間を提供しています。
他のコンパクトカーと比較しても、その上級感と先進性を強く感じさせます。 - 高い居住性: スペース効率に優れた設計でありながら、こだわり抜かれた素材や細部の仕上げによって、乗員の快適性が保たれています。
- ブランドイメージ: メルセデスベンツはラグジュアリーブランドとしての強いイメージを有しており、Aクラスにおいてもその価値観を踏襲しています。
ブランドに対する信頼性やステータス性を重視される方には大きな魅力となるでしょう。
BMW 1シリーズとの比較
一方、BMW 1シリーズは、ダイナミックでアグレッシブなスタイリングが魅力です。
特徴的なキドニーグリルやシャープなヘッドライトが、力強い印象を与えます。
スポーティなプロポーションとリアデザインも、ドライビングの楽しさを視覚的に表現しています。
- ドライビングダイナミクス: 以前の1シリーズはFR(後輪駆動)を採用していましたが、最新モデルではFWD(前輪駆動)が採用されています。FR特有の走行感覚は失われたものの、日用性と効率性が向上しています。
それに対して、AクラスもFWDを採用しながら、メルセデスベンツ独自の快適性を追求したドライビングエクスペリエンスを提供しています。 - 価格と価値観: 両者ともにエントリーモデルでありながら、プレミアムな価値を持っています。
ただし、Aクラスは内装の質感や先進装備などで異なるバリューを提供することで、ラグジュアリーさが際立っています。
メルセデスAクラス:パフォーマンス
- エンジンのバリエーションが豊富で、燃費効率も良好。
- FF(前輪駆動)を採用し、安定した走行性能を提供。
- A35やA45 AMGモデルは高いパフォーマンスを誇る。
メルセデスベンツAクラスは、快適で安定した走行性能が魅力です。エンジンオプションも豊富で、エコノミーからパフォーマンス志向のモデルまで幅広い選択肢があります。先進のドライバーアシストシステムも充実しており、安全性と利便性を両立しています。
Aクラスの技術と装備
- MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)を搭載。
- 最新の運転支援システムや安全機能が充実。
- デジタルコクピットとタッチスクリーンが特徴。
メルセデスベンツAクラスは、MBUXシステムを中心に、最新のコネクティビティとインフォテインメントを提供します。
音声アシスタントやスマートフォン連携機能も充実しており、日常の使い勝手が向上しています。
また、アクティブセーフティ機能も豊富で、安心してドライブを楽しむことができます。
乗り心地とハンドリング
- 快適な乗り心地と静粛性に優れている。
- スムーズなハンドリングと安定した走行性能。
メルセデスベンツAクラスのインテリアは、洗練されたデザインと先進的なテクノロジーが融合しています。
デュアルスクリーンのディスプレイやMBUX(メルセデスベンツ・ユーザーエクスペリエンス)システムが、直感的な操作性を提供します。高品質な素材と快適なシートが、長時間の運転でも疲れを感じさせません。
メルセデスAクラスの燃費
- A 180(ガソリンエンジン): 約12-14 km/L 1.4L 直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボエンジン
- A 200d(ディーゼルエンジン): 19.1 km/L 2.0L直列4気筒ディーゼルエンジン
- A 250e(プラグインハイブリッド): 16.1 km/L (電動のみ走行は70.2km) 1.4L直列4気筒 DOHC ターボチャージャー
- Mercedes-AMG A35 4MATIC (ハイブリッド):11.5km/L 2.0L直列4気筒 DOHC ターボチャージャー
- Mercedes-AMG A45 S 4MATIC+:11.1km/L 2.0L直列4気筒 DOHC ターボチャージャー
耐久性と品質
メルセデスは一般的に高品質な素材と優れた製造技術を用いているため、内装や外装の耐久性が高いと評価されています。
ただし、最新の電子機器やインフォテインメントシステムに関しては、長期的に見るとトラブルが発生する場合があるとの声もあります。
メンテナンスと修理
メルセデスのメンテナンス費用は比較的高めですが、正規ディーラーでのサービスやサポートが充実しているため、安心して長期的に乗ることができます。
定期的なメンテナンスを怠らなければ、エンジンやトランスミッションの耐久性は高いとされています。
リセールバリュー
メルセデスはブランド価値が高いため、AMGモデルのリセールバリューは比較的良好です。
特に人気のある限定モデルやAMG仕様は中古車市場でも需要があり、値崩れが少ない傾向にあります。
この辺りは「分かる人にはわかる」といったところでしょうか。
BMW 1シリーズ:パフォーマンス
- 直列4気筒エンジンを中心に、パワフルなパフォーマンス。
- FF(前輪駆動)またはxDrive(四輪駆動)を選択可能。
- M135iモデルはスポーティな走行性能を提供。
BMW 1シリーズは、スポーティなハンドリングと俊敏な走行性能が特徴です。
後輪駆動から前輪駆動への変更により、室内空間が広がりつつも、BMWならではのドライビングプレジャーは健在です。
エンジンラインナップも多彩で、ドライバーの好みに合わせた選択が可能です。
1シリーズの技術と装備
- iDriveシステムを搭載し、直感的な操作が可能。
- コネクテッドドライブサービスや運転支援機能が充実。
- 高解像度のディスプレイと高品質なオーディオシステム。
BMW 1シリーズも、最新のテクノロジーが満載です。iDriveシステムやライブコックピットプロフェッショナルが、直感的な操作をサポートします。
安全装備も充実しており、ドライバーアシスタンスシステムが事故のリスクを軽減します。
乗り心地とハンドリング
- スポーティなハンドリングとダイレクトなステアリング感覚。
- ドライビングプレジャーを重視した設計。
BMW 1シリーズのインテリアは、ドライバー中心のデザインと高い機能性が特徴です。
iDriveシステムやデジタルインストルメントクラスターが、運転の楽しさを引き立てます。
スポーティなシートとドライビングポジションも、アクティブなドライバーにぴったりです。
BMW 1シリーズの燃費
- 118i(ガソリンエンジン): 13.7km/L 1.5L直列3気筒DOHCガソリン
- 118d(ディーゼルエンジン): 16.7km/L 2.0L直列4気筒DOHCディーゼル
- M135i xDrive(ガソリンエンジン): 12.0km/L 2.0L直列4気筒DOHCガソリン
耐久性と品質
BMW 1シリーズも高品質な素材と製造技術を用いており、特にドライビングプレジャーを重視した設計が評価されています。
内装の耐久性に関しては、使用環境やメンテナンス次第で変わる部分もありますが、全体的には堅牢です。
メンテナンスと修理
BMWのメンテナンス費用も高めですが、BMWの正規ディーラーでのサービスは高品質です。
特にエンジンやサスペンションのパーツに関しては、定期的なメンテナンスが重要です。
オイル漏れや電子機器のトラブルが報告されることもありますが、適切にケアすれば大きな問題にはなりにくいです。
リセールバリュー
BMWも高いブランド価値を持ち、プレミアムグレードのリセールバリューは良好です。
ただし、走行距離やメンテナンス履歴がリセールバリューに大きく影響するため、適切な管理が求められます。
メルセデスAクラスとBMW 1シリーズの比較まとめ
メルセデスAクラスとBMW 1シリーズは、プレミアムコンパクトカーセグメントにおける主要な競合車種であり、どちらも優れた性能と高級感を提供しています。
メルセデスAクラスは、洗練されたデザインと高品質な内装で知られており、特にインテリアの質感や先進的なテクノロジー搭載による快適なドライビング体験を重視するドライバーに適しています。
一方、BMW 1シリーズは、スポーティな運転感覚と優れたハンドリング性能で評価されており、運転の楽しさを追求するユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
燃費に関しては、両モデルともにガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドのバリエーションを提供していますが、一般的にディーゼルモデルでは高い燃費効率を、プラグインハイブリッドモデルでは電気のみでの走行を可能とすることで、さらに燃費を改善させています。
具体的な数値はモデルや運転条件によって異なりますが、燃費性能はどちらのブランドも高いレベルを維持しています。
価格帯については、メルセデスAクラスもBMW 1シリーズもプレミアムコンパクトカーのカテゴリーに位置付けられており、基本モデルの価格は似ていますが、装備内容やエンジンの選択によって価格は上昇します。
一般的に、両車種の価格は日本円で400万円台後半からスタートし、オプションや上位モデルになるにつれて価格は上昇していきます。
高性能モデルや豪華な装備を選ぶことで、価格はさらに高くなりますが、その分、豊富な装備や性能の向上を享受することができます。
また、国産車では味わうことのできないパワフルでプレミアムな魅力があります。
最終的に、メルセデスAクラスとBMW 1シリーズの選択は、個人の好みや優先事項に大きく依存します。
洗練されたインテリアと快適な乗り心地を求めるならメルセデスAクラスが、スポーティな運転感覚とダイナミックなパフォーマンスを重視するならBMW 1シリーズが適しているでしょう。
ベンツAクラスやBMW1シリーズを選ぶのは貧乏と言えるのか?
本記事では、ベンツAクラスとBMW 1シリーズの性能と価格を徹底的に比較しました。
ガソリン、ディーゼル、パフォーマンスモデルそれぞれで違いが見られましたが、ベンツAクラスは必ずしも「高級すぎて手が届かない」モデルではないことがわかりました。
しかし、高級車ブランドのエントリーモデルであることから「貧乏」だとか「恥ずかしい」などと揶揄する声がありますが、どちらも妬みに近い感情であり、全く根拠のない意見だということが分かります。
ただし、高級輸入車ブランドということもあり、維持費や修理費用は国産車に比べると高額になる傾向があり、また、中古のリセールを考えると、エントリーモデルだと安くなる傾向な為、長期的な価値を期待する場合は熟考する必要がありそうです。
むしろ、高品質な仕上がりと優れた走行性能を考えれば、十分に検討に値する選択肢だと言えるでしょう。
マコール
車関連企業に勤務
80年代後期のローバーMINIで走行会に参加
問い合わせの多いジャンルを記事にしています