フェラーリ初の4ドア4シーター(フェラーリは公に「SUV」とは呼んでない)として、2022年に発表されたプロサングエ。一方、2023年に発売されたトヨタ自動車のクラウンスポーツ。その両車のデザインが似ていると話題になっています。
発表としてはクラウンスポーツの方が数か月早いようですが、詳しく見てみると異なる部分の方が多く、見た目の類似点だけでなく、サイズ感やエンジン方式などを比べてみても、全く別物だということが分かります。
高級車としてのクラウンスポーツはその名に恥じない存在感と、性能を誇っています。
しかし、比較対象としてプロサングエとを見比べた時、職人の逸品ものと高品質な大量生産品の違いという位の違いがあります。
デザインだけでなく両車の初めての試みや購入条件について、詳しく解説します。

フェラーリ プロサングエの芸術的なデザインとボディサイズ

プロサングエは、フェラーリが初めて手がけた4ドア4シーターです。後席のドアはヒンジが後ろに付いているため、横から見て、全席と後席ドアを開くと「観音開き」の状態になります。(画像は下に掲載しています)
6.5LのV12エンジンを搭載し、最高出力725馬力、最大トルク716Nmを発揮します。
0-100km/h加速は3.3秒、最高速度は310km/hに達します。
ボディサイズは全長4987mm×全幅2028mm×全高1589mm







クラウン スポーツVSプロサングエとの比較

2.5リッターハイブリッドのシステム出力は234PS。リアにもモーターを搭載する4WDでありながら21.3km/リッターのWLTCモード燃費というPHV(ハイブリッド車)のほかにバッテリー容量とパワー&トルクを強化したPHEV(プラグインハイブリッド車)もラインナップ
ボディサイズは全長4720mm×全幅1880mm×全高1565mm

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項目 | フェラーリ プロサングエ | トヨタ クラウン スポーツ |
---|---|---|
全長 | 4973 mm | 4720 mm |
全幅 | 2028 mm | 1880 mm |
全高 | 1589 mm | 1565 mm |
ホイールベース | 3018 mm | 2770 mm |
エンジン出力・パフォーマンス比較
項目 | フェラーリ プロサングエ | トヨタ クラウン スポーツ (HEV/Gas) |
---|---|---|
エンジン種類 | 6.5L V12 NA | 2.5L 直4 HEV / 2.4L 直4ターボ HEV |
最高出力 | 725 PS / 7750 rpm | 234 PS (2.5L HEV) / 272 PS (2.4L HEV) |
最大トルク | 716 Nm / 6250 rpm | 221 Nm (2.5L HEV) / 460 Nm (2.4L HEV) |
駆動方式 | AWD (4輪駆動) | FF / AWD |
トランスミッション | 8速DCT | eCVT (2.5L HEV) / 6速AT (2.4L HEV) |
0-100km/h加速 | 約3.3秒 | 約6.0秒(推定) |
主要装備比較
項目 | フェラーリ プロサングエ | トヨタ クラウン スポーツ |
デジタルメーター | 10.2インチ デジタルメーター | 12.3インチ デジタルメーター |
インフォテインメント | 10.25インチタッチスクリーン | 12.3インチディスプレイオーディオ |
サウンドシステム | Burmester プレミアムオーディオ | JBL プレミアムサウンド |
シート | フルバケットスポーツシート (電動調整) | 本革シート (電動調整・シートヒーター) |
エアサスペンション | 〇 (可変ダンパー付き) | 〇 (電子制御サスペンション) |
自動運転支援 | アクティブクルーズコントロール, 車線維持アシスト | Toyota Safety Sense (高度運転支援) |
価格 | 約5000万円~ | 590万円~ (2.4L HEV) |
プロサングエVSクラウンスポーツは似てる点と異なる点
「フェラーリがとうとうSUV市場にも進出」といったニュースで話題になりましたが、デザイン的にも傾向として似てしまうのは仕方ないと思います。最近のトヨタ車に多く採用されている「コ」の字型のヘッドライトデザインもプロサングエに似ていると言われるゆえんだと思います。
両車を比較してみると、確かに似ている面もありますが、デザイン的に同じ方向性といったところでしょうか。
クラウンスポーツから見てみると、プロサングエにも近いし、ランボルギーニのウルスにも近いようにも見えます。
ただし、写真や遠目で見た時の感覚は似ていると感じても、至近距離では随分と違いが出そうです。
まずボディサイズが、全長・全幅共に20㎝程度も異なっているため、クラウンスポーツが小さく見えてしまいます。そして世界のプレミアムスポーツカーメーカーであるフェラーリです。伝統的なV12エンジンが収まるロングノーズボンネットなど、雰囲気が全く違うことに気が付きます。
最近のトヨタ車のフロントマスクはプリウスにも共通しています。
比べてみるとプロサングエの伸びやかさに比べ、トヨタ車は抑え気味なのが分かります。



プロサングエの購入条件とは?購入予約が殺到!
このような特別なモデルとなると、入手がとても困難になります。
優先的に購入できるのは、間違いなくフェラーリの車両を継続して所有している方になりますが、発売から暫く経っていることから、バックオーダー順になっていると思われます。
プロサングエ 日本での新車価格・購入条件
フェラーリ・ジャパンや正規ディーラー(コーンズ、MID札幌など)の公式情報によれば、日本での新車価格は約4,766万円が出発点で、オプションを加えると5,000~6,000万円の範囲となります。
購入条件には、VIP顧客の優遇、信用審査、フェラーリ・オーナーズクラブへの加入歴などが含まれ、正規ルートでは購入目的が明確であることや、転売目的でないことが求められます。
フェラーリプロサングエの受注状況・納期
- 発表後すぐに受注が集中し、一時停止後、2023年5月に受注再開されたものの、**限定生産(年間約2,500台見込み)**ゆえ依然として納期は長期化傾向です。
- 海外でも2023年納車分の受注分は確保済みの例があり、日本国内でも2023年納車は順次進行中。納期は1.5~2年程度と見込まれています。
プロサングエ 中古車市場の実態(台数・価格)
中古での流通台数
- 大手中古車サイト(カーセンサー、グーネット、MOTA、webCGなど)によると、国内に流通する認定中古車は5~6台前後。そのほとんどが「2024年モデル」で、極小規模の流通となっています。
中古車価格
- 中古市場での価格は、8,380万円~8,882万円が目安。カーセンサー掲載では平均約8,613万円で、最安モデルでも8,380万円、最高は8,882万円です。
- 走行数十~数百キロの**“ほぼ新車”**状態の個体がほとんどで、年式2024、走行0.2万kmの例では支払総額8,520万円と記録されています。
サイト | 掲載台数(2025年6月時点) |
---|---|
カーセンサー | 約5台 |
グーネット | 数台 |
MOTA | 価格帯8,594~8,794万円 |
人気オプション・純正アクセサリー
- 特注マットカラー(例:ロッソ F1‑75 オパコ):カーセンサー掲載では「1600万円相当のオプション装備」として提示されることも。
- 純正アクセサリー:ライフスタイル・コレクションには、「ペットバッグ、スキーブーツケース、トラベルセット、ウィンタータイヤ/ホイールセット」などがあり、実用性だけでなく高いエクスクルーシビティを持つラインナップ。
購入を検討する人へ――独自視点コメント

1. 資産性・プレミア価格の一例
新車価格+特殊オプション+希少性によるプレミアム価格という構図があり、中古でも8,000万円台後半がスタンダード。その構図が当面続くでしょう。
2. “走行数百km”はステータスとして価値
「登録済み新車」が中古市場に出回ることで中古感が減り、むしろ「極上状態」として注目されます。
3. 受注・納期交渉のポイント
① 代理店との関係構築、② オーナーズクラブなどの背景、③ 装備・オプション構成の精査が、交渉と納期優先の鍵となります。
4. 純正アクセ系の資産価値
トラベルセットやアクセサリーにはコレクタブルとしての将来性、及び「所有満足度」を上げる効果が高く、トータル所有価値を視野に入れるなら検討すべき選択肢。
- 新車価格: 約4,766万円~(オプション次第で6,000万円超も)
- 受注状況: 限定生産につき納期は1.5~2年待ち見込み
- 中古市場: 流通台数はわずか5~6台、価格帯8,380~8,900万円
- 人気装備: 特殊色や純正アクセサリーが購入の決め手となりやすい
- 購入戦略: 正規ディーラーとの関係構築、慎重な装備選定、納期リードタイムを見据えた交渉スタンスが重要
日本円で5~6千万円クラスの価格帯の車を簡単に購入できる人が多いということにも驚きですが、世界中から購入者が殺到し、一時は「予約受付は終了した」とアナウンスされるほどの人気です。
購入条件に関しては、「特に設けていない」とされていますが、フェラーリオーナーズクラブのメンバーが優先されると思いますが、初めてでも購入できる希望はありそうです。
しかしプロサングエに関しては、生産台数、予約販売台数を発表していないため詳しくは分かりませんが、一説によると年間2,000台程度の生産。
2022年9月中旬に発表された直後、2か月程度で受注を打ち切ったとされています。
つまり、数年分の生産枠が埋まっているとも言われ、今から手に入れるのはかなり首を長ーくして待つ必要がありそうです。
今からでも入手は可能?
生産終了を告げられる可能性もあります。
ただし、生産終了が発表されるまでは、購入を希望するなら販売店へ問い合わせをしてみることをお勧めします。
今からだと、数年の納期を覚悟する必要がありそうですが…2024年春の情報ですが、国内入荷分では2年程度と言われたとか。
アメリカのようにフェラーリ販売台数の多い国ならもっと早いかもしれません。
プロサングエの価格
フェラーリプロサングエは日本国内での販売価格は4,760万円(発表当初)からです。
購入者の情報によるとオプションを含めると6,000万円クラスになるとか!
ちなみにクラウンスポーツは590万円から。
こちらもオプションを付けると、600万円台に突入です。
クラウンスポーツも高級車ですが、こうして比べてみるとお買い得に感じてしまうのが不思議です。


プロサングエの中古車の状況 フェラーリ チリンドリ発表
一時期は中古のフェラーリが世界一売れるのは日本だといわれていましたが、プロサングエを探すのは困難です。
日本に何台のプロサングエが輸入されているかは不明ですが、それほど多くないのは確かで、現在、中古市場でも見つけることはできません。
実際、販売時に転売を一定期間禁止しているとも言われています。
また、地球温暖化の流れで内燃機関エンジンの生産を終えると発表している自動車メーカーが増えてきた影響で、フェラーリの中でも人気の高い「V12エンジン搭載最後のモデルになるかも」とも言われているため、中古価格が高騰することが予想されます。

このウワサをあっさりと跳ね返すように、新型車「Ferrari 12Cilindri」が発表されました。
6496cc自然吸気V12エンジンをフロントに搭載し、最高出力は830 cv、最高回転数は9500 rpmを発生させるモデルです。
価格もクーペが5674万円から、スパイダーが6241万円から
ちなみに0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は340km/hに達します。

プロサングエの燃費性能とライバル車の比較
フェラーリ公式ページによると、「燃料消費量」として、複合燃費11.2 L/100 KM(8.9L/km)(WLTP)とされています。V12エンジンにしては思ったほど悪いとは思いません。1990年代の国産スポーツカーでも似たような燃費でしたから。
ちなみにライバル車は、それぞれV8、4Lツインターボエンジンでの燃費です。
- ランボルギーニウルスペルフォルマンテ 14.1km/L(WLTP)
- ポルシェカイエンターボGT 14.1km/L(WLTC)
- アストンマーティンDBX707 14.2km/L(WLTP)
ハイオク燃料が必要なのは同じですが、ライバル車も思ったより燃費が良いのに驚きです。
プロサングエの観音開きドアデザインと内装


内装については、アルカンターラ
ルーフに関しては、標準仕様がカーボン製ルーフに対してエレクトロクロミックガラスルーフがオプション選択でき、電気感応膜の反応によってフィルムの色合いが変わるといった、偏光サングラスのような仕組みになっています。


プロサングエのサイズとリアデザイン
全長4987mm×全幅2028mm×全高1589mm
ホイールベース3018mm 重量2,033 kg
前輪サイズ 255/35R22 後輪サイズ 315/30R23


プロサングエの日本発売は?
2022年11月8日に日本初披露され、デリバリーの開始時期は2023年後半となっていますが、V12エンジン搭載ということから世界中の注目を集め、日本国内入荷数もかなり少ないと言われています。
プロサングエの右ハンドル仕様
日本仕様に右ハンドルが選べるようになっており、駐車場や料金所などでも困ることはありません。
ただし、ボディの大きさから駐車スペースや道幅には気を遣わなければならず、日常利用とは言えません。もちろん左ハンドルも選択可能です。
まとめ:フェラーリプロサングエはクラウンスポーツにパクられたか?

フェラーリプロサングエはクラウンスポーツにパクられたか?と話題になっていますが、どちらが先とか、デザインの盗用とか、そんなことはなく、むしろ同じ方向性のデザインを採用していて、高級SUVの流行りのスタイルだといえます。
ボディサイズなどを見てもプロサングエがかなり大きいのが分かります。
フェラーリの戦略は既存の顧客を守るために、需要があってもいたずらに生産台数を増やすことはしないことで有名です。
また、フェラーリは購入に際し、厳格な審査基準があるとされていますが、そういったことも難易度を高めているといえます。
マコール
車関連企業に勤務
80年代後期のローバーMINIで走行会に参加
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